PTSが毎回参加している「埼玉私立中学1月入試研究会」(第15回)が
11月22日浦和ロイヤルパインズホテルに於いて、(主催:株式会社メディア
バンクス、協力:株式会社読売エージェンシー)開催されましたので内容を
紹介します。
まず、城北埼玉中学校の森泉秀雄校長の講演です。
「私学は冬の時代」(ピンチはチャンス)という内容で、BRICs(ブラ
ジル・ロシア・インド・中国)と呼ばれる新興経済大国と比較して、日本の
教育は「ぬるま湯」だという指摘が。
資源と人口が豊富なこれらの国々で、例えば中国では22時まで授業を行っ
ているのに、日本では硬直した官製教育による学力低下が著しい。
これからは社会貢献のための優秀な人材を育成するため、より難関大学を
目指すべきで、私学教育が日本を救うとのこと。
埼玉県は現状公立が優位で、東大合格者を見ても公立が77名に対し私立は
36名。これは公立が教師の研修においてノウハウを話し合う場があるのに
対し、私立の教師は研修の場が少なく、公立に対して私立が遅れているこ
とに原因があるのでは。私立は宣伝募集活動にお金をかけており、生徒募
集活動でお互い競争しているが、連携・協力が必要だとまとめた。
次に、栄光ゼミナールの山中亨氏の講演では、中学入試四大模試の四谷大
塚・首都圏模試・日能研・SAPIXの9月・10月の受験者数を比較。
最近の傾向としては9月から10月に受験者数は減る傾向で、理由としては
9月で判定結果を得て、塾側が10月はどちらでも良い(受験してもしなく
ても)という態度のせいかも?と推測している。
四大模試受験者数の推移
2010年 2011年 2012年
9月 49142名 47469名 46426名
10月 48755名 46665名 46062名
受験者数は2010年~12年にかけて減少し続けている。
2月1日(都内)午前入試の受験者数を100とすると、
午前2日71.5、3日50.6、4日35.4、5日18.7
午後1日42.9、2日21.9、3日4.9、4日0.8、5日0.5と減っていく。
1月入試のある埼玉の受験者数は増加。県外からの受験者が理由と考えら
れる。埼玉県は7年前の受験者数29122名→昨年32861名と増え続けている。
これからも小6の在籍数は減少していく。小学から国立・私立の中学に進学
する割合は、いずれもピークを越えて減少中。
東京都では 平成16年17.9%→20年19.1%(ピーク)→24年18.7%
埼玉県では 平成14年 6.1%→18年 7.6%(ピーク)→24年 6.3%
(埼玉県は私立への進学率が低い)
埼玉県は4校増えるので、ますます生徒の取り合いが激化する。
四谷大塚の合不合予備テストの名称が来年度からは合不合テストに変更
される。
また、神奈川県のアンケートで「教員が保護者に望まれていること」
と「保護者が教員に望んでいること」を調査した結果、
「教員が保護者に望まれていること」(教員回答)
授業力 77.6%(保護者側は45.7%)
非行対応 72.0%(保護者側は58.0%)
「保護者が教員に望んでいること」(保護者回答)
非行対応 58.0%(教師側は72.0%)
社会人としての一般常識 50.5%(教師側は25.4%)
と、双方の考えに違いがあり興味深い結果が出ている。
以上、内容をまとめて報告しました。興味深かったのは神奈川のアンケート
結果でした。教師に対する不信感が見え隠れていたのが印象的です。
上記でも触れられていましたが、埼玉県は私立中学がまた4校増えます。
私学教育を望まれるご家庭は「選択の幅」が広がるので、検討されることを
お勧めします。
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