最近、耳を疑うようなニュースがありましたね。そう、教職員が年度末を
待たずして駆け込み退職するというものです。
その内容は、埼玉県が2013年2月からの退職金引き下げを決め、100人以
上が1月末で辞めることが発覚。その中には30人の学級担任が含まれ、
生徒は学年途中で置き去りにされるという、思わず「本当?」と聞きたく
なるような現実でした。
この報道に、保護者から驚きや不満、あるいは理解するという声など様々
なようですが、「職場放棄」という批判もあり、下村博文文科相は「決し
て許されない」と会見で発言しています。
しかしながら原因は国家公務員の制度改変の遅れで、地方自治体はその
後追いをしたに過ぎないという意見も。埼玉県の標準的な教職員では年度
末の3月末で辞めるより、早期退職の方が退職金が140万円多くなり、3月
まで働いた場合の給与分を差し引いても、58万円多くなるという計算です。
埼玉県の上田清司知事は、当該教職員を「無責任」と批判しています。
しかし当の教職員達にとってみれば、2か月で100万円以上の差がつくと
聞けば駆け込みで退職を考えるのは無理のないことかもしれません。
はっきり言って「どっちもどっち」としか言えないですよね。
そもそも埼玉県でその措置をする際に、そうなることは予測してしかるべ
きだったのではないでしょうか?同様の問題を抱える栃木県では、1月末の
退職予定者はゼロだそうです。「意識」の差でしょうかね?
報道によると、埼玉県県教委の小中学校人事課では、駆け込み退職する教
員54人については臨時任用職員で補うめどがついたとのことですが、多少
の影響は出るはずです。
何より生徒たちの気持ちは?一番身近な「大人」である教師達のしたこと
を見て、どう思うでしょうか?「反面教師」という言葉にこれほどピッタ
リ合うような事例はないでしょう。
教職員が「聖職」なぞという幻想はもう、捨てた方がいいのかも知れませ
んね。
とにかく、学年末・卒業式・入試など、ただでさえ忙しいこの時期に生徒
たちや保護者の皆さんに余計な心配ごとを増やすような真似はしてほしく
なかったと言えるでしょう。
Continue reading “生徒は置き去りに”