11月22日浦和ロイヤルパインズホテルに於いて、株式会社メディアバンクス
主催「第17回埼玉私立中学校1月入試研究会」が開催されました。
PTSは毎回参加していますのでその内容を紹介します。
声の教育社中学編集部の後藤和浩氏の講演「中学入試問題の傾向・流行・
私考」という内容で、求められる入試の姿として、入試問題は「学校の顔」
なので、担当教員の姿勢が見える特色ある問題が必要との意見でした。
明らかな傾向を示す事で、本当に「入りたい子」が入れる問題を作成し
受験しやすくすることが必要とのこと。
大学受験などでは受験問題の外注が増え問題視されている。学校理念の
軽視につながることを懸念。
編集者としての入試問題考察では、「算数」は基本的な構成として、計算
問題・応用小問の集合題・応用問題からなっており、出題数を調整するこ
とで難易度のバランスを整えるのが一般的。学校の独自性は応用問題で示
され、暗記だけでは通用しないようになっている。読解力と応用力が試さ
れる。
「国語」では素材文に学校の「こだわり」が見られるとのこと。傾向と
しては文学的文章では重松清や前年の流行りの作品が頻出。説明的文章
ではちくま書房・岩波新刊からの出題が頻出。標準的な文章量は3000字
強×2題だが、中には6000字の出題も。
「理科」・「社会」は独自性の出しやすい教科だが、天体に関する時事
問題は日食・月食などほぼ同じ内容になるケースが多い。また、この2
教科は出題ミスの多い科目でもある。
出題ミスは意外に多く、国語の問1で「現金自動支払機」の略号の選択
肢に「ATM」があるのだが、ATMは「現金自動預け払い機」の略。
よって本当の正解は「CD」(キャッシュディスペンサー)。また
6000字を読ませた後で、書き抜き60字以内という問題もあり、工夫が
必要では。算数では問題文とグラフに矛盾があったり、必要な条件が
不足しているため、予想以上の難問になってしまったケースなどもある、
という講演でした。
↓講演の様子
栄光ゼミナールの山中亨氏の講演「どうなる平成26年度中学入試」では、
中学入試四大模試の四谷大塚・首都圏模試・日能研・SAPIXの受験
者数がこれまでは11月がピークだったが今年は減少し、9月よりも少なく
なっていることを指摘。
四大模試受験者数(11月)の推移
2012年 2013年 2014年
11月 49,309名 46,606名 43,871名
今後も受験者数は減少し続ける可能性大。理由は少子化で、今後現小1生
が増えるまでの間は生徒数が減り続ける。したがって塾なども今後5~6
年の生き残りが課題となる。
傾向としては中学受験対策スタートを小4生から始める割合が高くなり
つつある。2008年では小4以下65%、小5からが35%だったのに対して、
2013年では70%以上が小4でスタートしている。
埼玉県に関する話題では、現小5生が受験する再来年には、公立中学の
市立浦和の入試が1/10(土)、伊奈学園が1/11(日)の見込みとなって
いるが、私立中学入試との絡みで実施を一週間ずらした場合、1/17(土)、
1/18(日)の大学入試センター試験と重なる可能性があるとのことでした。
↓懇親会の様子
PTSはこの研究会に欠席したことはありません。私立単願を希望して
いるけれどSSポイントが足りないという会員がいたので、懇親会時私立
担当の先生に相談したところ、何とか「カクヤク」をいただけました。
これも学校との間に築いてきた信頼関係があればこその話です。
まずはPTSに相談してみてください。
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