塾大手の「栄光ゼミナール」の親会社「栄光ホールディングス(HD)」の株式を、
通信教育「Z会」を運営する「増進会出版社」が株式公開買い付け(TOB)を
するというニュースがありました。
栄光HDはこれに賛同し、二段階のTOBを行い、増進会が栄光HDを完全子
会社化する方針のようです。これは5年後に迫った大学入試改革が絡んで
いる模様です。
2020年に行われる大学入試改革は文科省が出した「高大接続改革実行
プラン」によると
①センター試験を廃止しこれに代わり二つの新テスト「高等学校基礎学力
テスト」と「大学入学希望者学力評価テスト」が創設される
高等学校基礎学力テスト:
国語総合・数学Ⅰ・世界史・現代社会・物理基礎・コミュニケーション英語Ⅰ
などの高校必履修科目から「知識・技能」重視で出題。年間2回程度実施で、
高2~高3で複数回受験可能。結果を調査書に記入する。
大学入学希望者学力評価テスト:
評価の中心は「思考力・判断力・表現力」で、「教科型」、「合教科・科目型」、
「総合型」を組み合わせて出題される。英語は「読む」、「聞く」、「書く」、
「話す」の四技能を評価。TOEFL IBTなど民間の資格・検定試験を活用する。
選択枝だけでなく記述式(キーボード入力)もあり。
高3で受検し、年複数回実施されるので複数回受検可能。
結果は大学の個別選抜への資格試験的利用もされる。
②大学の「推薦・AO入試」の廃止
大学生の学力低下がみられるようになってきた理由の一つに挙げられている。
現在学生の半数以上がこの制度を利用して大学に入学しており、「受験勉強
を頑張らない」という本来ではない目的に使われているという実情がある。
代わりに、小論文・面接・集団討論・プレゼンテーション・調査書・活動報告書・
大学入学希望理由書や学修計画書・資格や検定試験の成績・各種大会等で
の活動や顕彰の記録を提出。
ただし、大学により何を採用するかなどについては未定。
大まかな内容は以上です。なぜ大学入試改革なのか、と言えば「高校教育が
変わらない原因が大学入試にある」ということのようです。
今までとやり方が大きく変わることで、塾・予備校も生き残りをかけていろいろ
な動きをしていきそうですね。